フィギュア女子、フリーのジャンプ基礎点を計算してみる。


 バンクーバー五輪フィギュアスケートは、2/26(金)に女子シングルFSが行われます。
 そこでフリーの演技の前に、浅田選手とヨナ選手のジャンプ基礎点を計算してみました。演技内容は変わる可能性がありますが、おそらく二人ともこのジャンプ構成を予定しているでしょう。

Mao ASADA 係数
3A 8.2 x1.0 8.20
3A+2T 8.2 1.3 x1.0 9.50
3F+2Lo 5.5 1.5 x1.0 7.00
3Lo 5.0 x1.1 5.50
3F+2Lo+2Lo 5.5 1.5 1.5 x1.1 9.35
3T 4.0 x1.1 4.40
2A 3.5 x1.1 3.85
合計 47.80
Yu-Na KIM
3Lz+3T 6.0 4.0 x1.0 10.00
3F 5.5 x1.0 5.50
2A+2T+2Lo 3.5 1.3 1.5 x1.0 6.30
2A+3T 3.5 4.0 x1.1 8.25
3S 4.5 x1.1 4.95
3Lz 6.0 x1.1 6.60
2A 3.5 x1.1 3.85
合計 45.45


 ジャンプが3回しかないショートに比べて、フリーは7回のジャンプがあります。


 8.2点の3アクセルを2回予定している浅田選手は、ヨナ選手に比べて基礎点で2.35点のアドバンテージがあります。もちろんジャンプの質の加点がありますので、この通りの点差が付くとは限りません。浅田選手の3アクセルはどうしてもギリギリになりやすいので、その分加点が伸び悩むことは予想されます。
 対して、ヨナ選手はセカンドジャンプに3トウループを2つ付ける予定です。点数表を見てもらえば分かりますが、3+3回転は3+2回転に比べて難しく、高い得点を獲得できるジャンプです。これを高い質で跳んでくることで更に加点を獲得することでしょう。
 お互いがジャンプをノーミスだった場合、ショートの得点差の逆転は厳しいと思います。(その他の要素の取りこぼしなどにもよりますが)


 また、オマケでそれぞれが3アクセル、セカンドの3トウループで回転不足判定を受けた場合をシミュレートしてみました。(GOE減点などは無視)

Mao ASADA 係数
3A< 3.5 x1.0 3.50
3A<+2T 3.5 1.3 x1.0 4.80
3F+2Lo 5.5 1.5 x1.0 7.00
3Lo 5.0 x1.1 5.50
3F+2Lo+2Lo 5.5 1.5 1.5 x1.1 9.35
3T 4.0 x1.1 4.40
2A 3.5 x1.1 3.85
合計 38.40
Yu-Na KIM
3Lz+3T< 6.0 1.3 x1.0 7.30
3F 5.5 x1.0 5.50
2A+2T+2Lo 3.5 1.3 1.5 x1.0 6.30
2A+3T< 3.5 1.3 x1.1 5.28
3S 4.5 x1.1 4.95
3Lz 6.0 x1.1 6.60
2A 3.5 x1.1 3.85
合計 39.78


 基礎点が逆転してしまいました。3アクセルは元の基礎点が高いだけに、失敗したときの減点幅も大きくリスクが高いのです。もちろん浅田選手もこのことを分かった上で選択してきています。
 しかし、ルッツやサルコウが苦手な浅田選手は、ジャンプ構成を落とすのではなく、頂上を目指すためにこの3アクセルに挑む道を選択しました。結果がどのようになるかは分かりませんが、彼女のチャレンジを見守りたいと思います。


 と、ここまで点数を解説しておいてなんですが、ジャッジの採点だけに捉われることなく、アスリート達それぞれの個性ある名演技を堪能したいものですね。