2083ゼミコン本番を振り返って。

 先日、2011/5/29(日)に、私の所属している「2083ゼミ」という団体で主催したイベント『2083ゼミコン』の本番が終了しました。
 (このような趣旨のイベントでした。> http://www.2083.jp/semi/20110529semicon.html
 ちょっと振り返ってみますが、このイベントを開催するまでには本当に色々な準備が必要でした。


 このようなイベントを自分達で開催しようと思っている方に参考になるかと思って書いてみますが、考えることは多岐に渡りました。

  • イベントはどういう方向性にする?
  • 開催日はいつ?
  • 会場はどこに?
  • 予算は?
  • 時間はどのくらい?
  • 発表内容はどうする?
  • 必要な係の班分けと分担は?
  • メンバー間の連絡方法は?
  • 印刷物はどういう仕様で誰が?
  • スライドの準備は?
  • 音源の準備は?
  • 演奏のパート分担は?
  • 編曲は誰が担当?
  • 演奏時のステージ配置は?
  • 当日必要な機材は?
  • 演奏練習はいつやる?
  • 発表の練習スケジュールは?
  • 会場との事前打ち合わせは?
  • ゲネプロやリハーサルは行なう?
  • 当日の進行順序とスケジュールは?
  • 司会の原稿は?
  • 客席配置は?
  • 告知・宣伝方法は?
  • 事前予約のフォームと文面は?
  • 当日受付の流れは?
  • アンケートは?
  • 撮影や録音班は?
  • 打ち上げ会場は?


などなど挙げればキリが無いくらいに。


 「イベントの開催」に関しては私を含め殆どのメンバーが素人でしたし、「演奏」と「発表」を組み合わせたイベント形式が殆ど無い試みですから苦労は多かったです。
 それでも、この短期間でメンバーが協力して、かなり良い形まで仕上げられたという充足感がありますね。
 (余談ですが、2083ゼミのメンバーによる発表会の話自体は2010年の9月頃に出ていましたが、本格的に実施会場や日時が決まったのは2010年12月。そこからは色々と方向性を模索する時期が続いて、本番に向けて本格的にエンジンが掛かったのは実質的に2011年3月くらいだったと思います。かなり急ピッチでした)


 今回の「2083ゼミコン」では、演奏発表についても単に自分達の好きな曲を披露するのではなく、その演奏を「どのようにテーマと絡めるか」というのをしっかり考えていました。

  • ドラクエ』の街の音楽は、身近な楽器を楽しんでみるというテーマで。
  • 発表予定だった『ニーア』は(今回はメーカーさんの許諾の関係で演奏できませんでしたが)、昨年大注目されたサントラの魅力を紹介という流れで。
  • 箏による『ゴエモン』は、あまり聴く機会のない和楽器を聴いてみるという趣旨で。
  • Airより『鳥の詩』は、美少女ゲームのボーカル曲の役割、重要性という視点から。
  • スーパーマリオワールド』は、メロディの主題と変奏を実際に聴いてみるという切り口で。
  • 観客の皆さんにも参加して貰っての『NewマリオWii』は、皆で楽しむ音楽というテーマ。


 一つ一つ、狙いを持ってゲーム音楽を楽しんでもらうという方向性を意識していました。
 もし、曲を聴いて「ああ良い曲だ」と楽しむだけの演奏会とは少し違った聴き方、少し違った楽しみ方が出来たというのであれば大成功なのですが。どうだったでしょうか。


 研究発表系についても、硬軟織り交ぜて、ゲーム音楽に広く興味を持って貰えるような題材を色々な切り口から選択されていました。

  • 前年のサントラの動向をデータで語り、その中で昨年ひと際輝きを放った『ニーア』に注目してみること。
  • ゲーム音楽を演奏する団体を紹介し、生の演奏会に足を運んでみるきっかけとすること。
  • 美少女ゲームにおけるジャンルに特有のゲーム音楽事情・文化について。
  • ゲーム音楽がゲームの枠を超えて、社会に広がっていっている事例を知ってもらうこと。
  • 息抜きという形ながら、イントロクイズを通じてプラットフォームやシリーズによって違ってくる曲のアレンジに興味を持ってもらうこと。


 ゲーム音楽の楽しみ方には、本当に色々な切り口があることに気付かされます。


 こうして、新しいコンセプトの「ゲーム音楽の研究発表会」をこのように開催実現できたというのは凄く意義のあることだと思いますし、私自身はとても自信や経験にもなりました。(他のメンバーの皆もそうなのではないかと思っています)


 自分の発表に関して。


 人前での発表トークは、今まで仕事や身内勉強会などでかなりの場数を踏ませて貰ったこともあって割と落ち着いて出来たと思います。最初の発表担当ということもあって、ある程度砕けた語り口で笑いを取って、会場の空気を和ませることを心がけていました。
 ちなみに、私のスタイルではアドリブは少なめで原稿頼みの部分が多いです。原稿を何回も直しながら、口に出して自然な口調で喋れるように練習します。


 しかし、やはり演奏となると緊張しますね。最初のリコーダー演奏は結構指がプルプルしていました。練習ではもうちょっと綺麗にビブラートをかけれていたのですが、それもほどほどにしかコントロール出来ず。それでも、凄く楽しんで演奏をすることが出来ました。
 後半でのリコーダー演奏、鍵盤ハーモニカ演奏は比較的落ち着いて出来た気がします。鍵盤ハーモニカは、鍵盤を指で探り探りという感じでミスもちょこちょこ出てしまいましたが…。
 そして、最後には観客の皆さんに参加してもらっての大合奏。
 このときはもう全く緊張などせずに、本当に心から楽しく音楽を楽しむことが出来ました。


 今は楽器をやっていなくても、昔、「音楽の授業で皆で合唱したり合奏したりするのが楽しかった」という人達って大勢いると思うんです。大人になってからでもそういう楽しさって味わえますし、その楽しさの片鱗を少しでも味わって貰えたのであれば最高だと思います。


 何はともあれ、こういったイベントに関わることが出来て本当に良かったです。
 2083ゼミはまたしばらく通常運行に戻るようですが、その先、第2回ゼミコンの機会があれば、またよりパワーアップした内容でお届けしたいですね。