アマチュア楽団運営の「ハードル」は上がりすぎないで欲しい話


 アマチュア楽団の運営に関して、ここ数日、私の観測範囲上(主にtwitter)で議論が盛り上がっています。


 背景には、2012年のコストスカイオーケストラの定期演奏会文京シビックホールが定員オーバーになったのを始めとし、2013年になって、交響楽団ワルプルギスの夜」(まどマギ)、名古屋ゲームミュージックアンサンブル(NGME)、ガーデンオーケストラ(FF8)の演奏会で、それぞれ客席定員オーバーが出て入場できなかった人が出るなど、ゲーム・アニメ系の演奏会の人気の高まりがあると思っています。

 その流れを受けて、にわかに、ゲーム・アニメ系楽団の関係者や来場者の間で、運営面についての議論が活発になりました。

 (単に私の周りに楽団関係者や運営面に協力している人が多いというだけのことなのですが)



 このアマチュア楽団運営周りの談義で気になってることが一つあります。

 私の心配し過ぎとも言えるのですが、議論が加速し過ぎて「楽団側のハードルがあがる」という流れにはなって欲しくないのです。

(※ちなみに誰かの議論を指して批難してるとかではなくて、私の観測範囲全体の空気感みたいなものを対象に話してますので、あしからず)



 皆が運営周りに関して、色々な提案や解決策を語るのは良いことだと思います。ノウハウの共有、意識の醸成。有意義だと思います。他の楽団の将来の活動に役立つかもしれません。

 ただ、「こんな方法が最高」「こうあるべき」などの意見ばかりが並べられる流れになってしまって、それが将来的にどこかの演奏会に対して
「対策を取っていないなんて…」
「これだけ問題になっているのに…」
「◯◯の楽団ではこうしていたのに…」
という形で、楽団に対して矛先が向かうような展開にはならないで欲しいなと思うのです。



 というのは、アマチュア楽団がどこも事情が違うわけです。人員や金銭や時間にそれぞれ制約がある中で、余暇の趣味活動としてやっているわけです(本人達の本気度は別として)。
 アマチュアの活動ですから、いくら理屈が分かっていても、演奏会の運営に掛けられる対策なんて限界があるわけです。
(例えばコンサートホール一つ抑えるのにも、1年前からいくつも予約抽選に参加して、ようやく候補の内の一つが取れるといった事情があるのです)


 楽団の中の人達がより良い演奏会を目指すのは良いのですが、ここで楽団側も観客側もあまりにも「高いハードル」を求めすぎてしまうと、お互いに幸せなことにはならない気がしているんです。
 楽しかったはずのアマチュア活動が、責任感と義務感とプレッシャーに潰されてしまう。そんなことにはなって欲しくないです。



そのためには、


「楽団側と観客側、それぞれがお互いの事情を汲み取って、広い心で」


という考え方が大切なのかなと思っています。
 アマチュアの世界が上手く行くためには、こういうお互いを慮る気持ちはとても大切なことではないかなと思うのです。


#誤解されないように一応書いておきますと、「議論を止めましょう」という主張ではなくて、「議論は良いけど、『こうあるべき論』に偏っては欲しくないな」という主張です。



(※2013/05/20 22:57 ちょっと捕捉)
 割と反響を頂けたので一つ捕捉です。

 この話の流れ的には「楽団擁護」っぽくなってますが、それだけではなくて、たとえば観客の誰かが何か要望や批判を挙げたときに、それを「他の観客が寄ってたかって批判する」のもまた避けた方がいいと思ってます。
 「強いコミュニティ」ではありがちな現象ですが、それでは排他的な狂信集団になってしまいかねません。
 観客側もその音楽への思いが強いだけに、「色々言いたくなる」ことは良くあると思うのですよ。


 楽団と観客の間だけでなく、観客同士の間でもお互いに広い心を持てるといいですよね、と。