料理=カードゲーム

2年前くらいまでは全く料理しなかったのですが、最近は料理を楽しんでます。


一人暮らし時はコンビニ弁当と外食で全部済ませていたので、家には調理器具が殆どありませんでした。炊飯器も鍋もフライパンも包丁もなく、コンロも元栓閉じたままという状況だったのですが。


自分で料理をするようになって理解したのは「料理=カードゲーム」ということ。手持ちのカード(食材)を元にして、如何にマシなコンボ(料理)を成立させるかというゲームですね。食材費や調理時間の効率、手持ちの食材のストックとかも考えて、ほどほどの味を目指すというルール。*1


その点でクックパッド最強ですね。「鶏モモ肉とさつまいも残ってるけど何作るか……」とか組み合わせを検索できるのが便利です。


で、料理を色々試行錯誤していて思ったのは、ある程度、調理の理屈がわかってくると面白いんだなーと。友人は「料理は科学ですよ」と教えてくれましたが。


分かってきて面白かった知見。

  • 野菜(例えばピーマンとか)は繊維に対してどっちに切るかで、食感が変わるとか(サラダなら縦に切ってシャキっと、柔らかく煮込むなら横に)
  • 下味を付けると、噛んだときに具材の中まで味がするとか
  • 玉ねぎと人参とかスープにするのに、そのままでもいいけど最初にバターで炒めておくと具を食べたときにしっかり甘みがするぞとか
  • スープとかにウインナーとかベーコン入れると肉の脂が出て良い感じになるなとか
  • 野菜を塩もみすると、水気が出てひきしまった味と食感になるとか
  • みりんに付けるとタンパク質は固くなるとか、逆に酒だと柔らかくなるらしいとか
  • ナスはめっちゃ油吸い込むから美味しいけどカロリー怖いとか
  • ニンニクは油で低温から炒めると香りが油に移るとか、そのときちょっと火が強いとすぐ焦げてしまうとか
  • 具材は切るときにサイズを揃えると、食感が均一になって食べてるときに一体感あるとか
  • 人参は熱通してもカサ減らないので意外と小さめに切らないとデカかったなとか
  • 火の通りにくい順に炒めないと火が通ってなかったり、逆に焦げちゃったりとか
  • 鶏肉とか豚肉に片栗粉まぶしてから焼くとツルッとした食感になるとか
  • ウェイパーとオイスターソース使っとくとなんでも中華味になって安定の味だなとか
  • 料理の味がパッとしないときは大抵塩分足せば調整できるとか
  • 和風なら顆粒だし、洋風なら顆粒コンソメ入れておけばだいたい何とかなるなとか

小さい頃は、千切り、短冊切り、乱切り、いちょう切りとか、なんでそんな色々あるんだ!とか思ってましたが、料理を繰り返している内に「ああ、他の食材と食感合わせるなら細長く切ったほうがいいよね」とか「この後煮るから、このくらいの大きさじゃないと火が通り過ぎちゃうよな」とか理屈が分かってきて、そうなると今度はレシピ見ないでも自分の判断で調理方法がだいたい分かってくるのがいいですね。


他にも、このレシピならこの野菜も一緒に入れても絶対美味しいだろうな、とかの判断が付くようになってきたり。


微妙な結果になることも多くありますが、自分が作る料理だと失敗してもまぁいいやという安心感があって失敗を繰り返せるので、こうやって経験値があがっていくのが楽しいですね。化学実験(もしくはアトリエシリーズ)やってる感じですよね。


あと、もし料理初心者の人がいたら、頭の中で何考えながら料理作ってるのかが分かる本とか読んだ方がコツが分かるかもって思った。よしながふみさんの『きのう何食べた?』は結構参考になってる気がする。レシピそのものじゃなくて、料理作るときの段取りとかそういう心情が書かれてるのがいい。


激旨料理が格安で出来たときはグッとガッツポーズしながら食事を楽しんでいます。
最近の発見は、鶏むね肉を茹でて放置するだけのサラダチキンを作ったら、茹で汁が極上の鶏スープになってて、こっちの方がメインなんじゃねーの美味すぎ案件でした。

*1:コスト制限を無視すれば、一から調味料とかハーブとか全て揃えてすごい料理も作れるけど、「何でこんなの買ったの」って怒られるパターンのやつ