米沢氏の訃報

コミックマーケット代表を勤められていた米沢嘉博氏のコミケ代表退任の知らせが入った翌日、突然の訃報でした。


コミケに参加されている皆さん、カタログやコミケットプレスに毎回書かれている米沢氏の「あいさつ」は読んでいますでしょうか。読み飛ばしている方もいるかもしれませんが、お手持ちの方は是非一度目を通してみてください。そこには毎回、その年の時事問題と絡めて、米沢氏のコミケに対するビジョンが書かれています。


コミケが毎年2回開催されるのは私達にとっては最早「当たり前のこと」と思われています。しかし、時代が変われば、あるいは何かしらの事件がきっかけで世論の方向性が変われば、何かの拍子にコミケの開催が「当たり前のもの」ではなくなってしまうことは充分に有り得ます。
コミケは過去から何の障害もなく続けてこれたわけではなく、会場の問題、徹夜問題、脅迫状問題、版権問題、青少年への影響の問題などなど、様々な問題に直面しながらそれを乗り越えて発展してきました(そして現在もそれらの問題と向き合っています)。
それも米沢氏を始めとした運営の方々が、私たち同人ファン達の表現活動の場がずっと存続するようにと尽力してくださった(くださっている)おかげです。これからも同人活動というフィールドが末永く続いていくように、私達もイベントをつくり上げている一員としてコミケの抱えている問題を考えていかなくてはいけないと思います。


私が同人活動を続けてきた中でこのように物事を考えられるようになったのは、米沢氏の毎回の「あいさつ」を読んで、そのコミケに対する真摯な考え方に触れてきたからだと思います。私はこれからも米沢氏のメッセージから教わったことを忘れないように、同人活動を続けられることを感謝しながら、創作を続けていきたいと思います。