同人音楽をちょっとだけ語る。(その3)

 前回(http://d.hatena.ne.jp/Sinon/20070222)の続き。


 PopKornが同人活動を始めた頃、私が出会い、大きく影響を受けたサークルがありました。もう解散してしまって久しいのですが「Deep Classic」というサークルです。近い時期に同じジャンル(Key系)で活動を始めたということで知り合ったのですが、そのサークルの同人に掛ける情熱は凄かったです。
 例えばジャケットへのコダワリ。マキシケース(薄型ですがちゃんと背の部分があるタイプのケースです)のCDが手元にある方は確認して欲しいのですが、このタイプのジャケットを取り出すとCDの背になる部分が結構複雑な形状をしていると思います。彼らはこのマキシ仕様のジャケットを一枚一枚、カッターを使って手作業で切り出していました。


 当時の私は驚愕しました。普通にジュエルケース(いわゆる普通のCDケース)やスーパースリムケース(薄型で背になる部分の無いタイプ。PopKornでよく使っています)を使えば四角く切り出したジャケットを2つ折りにするだけで完成します。これなら手間も省けますし効率的です。
 しかし、彼らは「背の部分があった方がCDラックに入れたとき探しやすくて親切でしょ?」という理由で、倍以上も手間の掛かるマキシケースを採用し、カッティング作業をこなしていたのでした。何たるコダワリでしょうか。


 そのCD製作時には、合宿のように何人もの人が集まって作業をしているのですが(後に私も参加させてもらったことがあります)、手間が掛かることを苦痛と思っている様子は全くなく、むしろ他のサークルとは一味違うコダワリを達成していることを誇りに思って楽しんでいるようでした。(実際、私も非常に楽しかったです)


 この情熱に溢れたサークルとの出会いが、私の同人スタンスに大きく影響を与えたのは間違いありません。後にPopKornでも、パッケージ仕様に手間暇を掛けた作品にチャレンジすることになります。



#余談ですが、当時そこで知り合った方々は今でも私の良い同人仲間となっています。


(まだ続きます)