これは演奏会という名のエンターテイメント。
ここの演奏会は「曲を演奏する会」というよりは、「演奏会という名のエンターテイメント」と言った方がピッタリなのではと思います。
「ルセッタアミュゼ吹奏楽団」(通称:るーみゅ http://recette.chu.jp/)は、アニメやゲーム音楽を中心に演奏するアマチュアの吹奏楽団さん。その、第4回目となる定期演奏会を聴いてきました。
ルセッタアミュゼ吹奏楽団 第4回定期演奏会
2010/9/25(土) タワーホール船堀 大ホール
http://www.2083.jp/concert/20100925recette.html
セットリストはこちら。まずこの曲目群で(分かる人には)その「濃さ」が分かるでしょう。
- 1部
- 2部
- 侍戦隊シンケンジャー (侍戦隊シンケンジャー)
- NonStop VOCALOID in BRASS (ボーカロイド)
- ライオン (マクロスF)
- LittleBusters! (リトルバスターズ!)
- キラメキラリ (THE IDOLM@STER)
- 翼をください (ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破、けいおん!)
この楽団の特徴は、演劇などを盛り込んだ趣向を凝らした演出。
第1部こそ真剣に難易度の高い曲目に取り組んでいますが、第2部のはっちゃけ具合は凄いです。なんというか高校生の文化祭ステージを見ているかのようなパワーがあるんですよね(笑)
今回は、観客を飽きさせない工夫が随所に見られたのが楽しかったです。
開演前には待ち時間を退屈にさせないための、有志アンサンブルによるプレステージ。ヘタリアの曲で、スネアドラムの後奏中にそのまま開演前の注意事項のアナウンスとか(アナウンス終了とともに演奏も終了)。
後半にはトロンボーンパートによる「エイトメロディーズ」のアンサンブルをバックにそのまま祝電の読み上げ。
普段なら形式的に済ませてしまうはずの要素まで、何かしら楽しみを入れようという工夫に脱帽です。
話が前後してまず第1部ですが、一発目の「サクラ大戦」はなかなか一体感のある演奏に思えました。全体的に高難度の曲が多かったのか、少しぎこちない印象もところどころに。それでも進むに連れて徐々に硬さが取れてきました。
第1部最後の「ジャイアントロボ」組曲は、非常にいい鳴りをしていましたね。(元からきちんと吹奏楽用に編曲された譜面ということもあるでしょうが)
そして第2部。皆さんそれぞれ思い思いのコスプレスタイルで登場です。観客席にも常連さんが多いのか、以前ほどには客席が「ざわ…ざわ…」しなかった気がします(笑)
毎度の趣向なのですが、寸劇を交えながらの物語仕立てで曲目が進んでいきます。指揮者の一人でもある、だよタンさんが主役で大活躍。
ボーカロイドは出るわ、宇宙の歌姫は出るわ、野球少年は出るわ、アイドルと社長は出るわで、これでもかというネタの詰め込み具合です。
マクロスFの「ライオン」では、まさかの途中からのボーカル入り。吹奏楽のステージで、マイクを使ってのステージというは私は初めて観ましたw しかも歌上手いですしね。
リトルバスターズ!は、まさかの「筋肉」ネタw 正直元ネタ知らない人も多かったのではと思いますが、そんなことを気にせずに勢いで突っ切るあたりが、まさに真人らしくて完璧です。
そしてお待ちかねの「キラメキラリ」。指揮者の背中に背負われて「社長」が登場ですw 元ネタを知っている人が多いのか、社長の登場でかなり笑いが起こっていました。アイマスダンサーズの7人は、ダンスの振り付けもキレも今年は凄くレベルが高くて、おおおおーと思いました。自信を持って踊れていた感じがしたので、かなり練習を積んで来たんだろうなーと思います。
ふとパーカッションパートにはハッピ着てUO*1折っている人がw
観客席にもご友人組だと思われる人達が仲良くUOを振ってました。(しまった、自分も持っていけば…) この曲は正直、手拍子をしてノリたかったのですが、会場がそういう空気じゃなかったので自重。
アンコールを終えて、終演後にはロビーでお見送りなのですが、そのときも裏手の通路を使わず、ホールの客席通路を通ってコスプレ姿の演奏者さん達がゾロゾロとw
皆さん、友達と挨拶をしているときの楽しそうな姿が印象的でした。
ルセッタアミュゼの演奏会からは、「本当にこの人達はアニメやゲームが大好きで音楽を楽しんでいるなー!」というのが伝わってきて、こういうのは、プロオケの演奏会では絶対に体験できるものではありません。(たとえゲーム音楽をテーマにした「PRESS START」のような演奏会であっても)
最初から最後まで楽しみっぱなしで、あっと言う間に時間が過ぎてしまう演奏会でした。まさにエンターテイメント。楽しかったです。これからも応援しています。