ファーストサウンズ4聞いてきました。

すみだトリフォニー小ホールにて。
葉鍵曲メインで構成された演奏会が実際に音楽ホールで楽しめるというのは嬉しいですね。開演に先立って代表の方から挨拶があったのですが、しっかりした理念を持って活動しているんだなというのが伝わってきました。
演奏会全体としては、緊張から実力を出し切れなかった人が多かったように感じました。場慣れしている人でなければ100人以上の聴衆を前に演奏ってなかなか難しいことだと思いますが。
以下、曲の感想などを。


まず1曲目の紫月桂樹さんの『ためいき』(ピアノソロ)。葉鍵屈指の名曲ですね。しっとりといい雰囲気で弾かれていて「痕」の1シーンの情景が甦るようでした。
3曲目、MonoToneさんの『WHITE ALBUM』(ピアノ/ソプラノサックス)。アレンジ自体は無難なのですが、安定した演奏だったように思います。原曲を知っている人なら共感してくれると思うのですが、ラストの印象深いサックスソロのフレーズがばっちり決まったのがカッコよかったですね。
6曲目、きりねさんの『右手で一杯のホットコーヒーを飲みながら』(ピアノソロ)。「CLANNAD」より「資料室のお茶会」を左手一本でピアノを弾くスタイルにアレンジしたものです。音だけを聞いていると両手を使っているようにしか思えません。曲名が編曲のコンセプトを表していて洒落ていますね。流石に実際にはコーヒーは飲んでませんでしたが(当たり前)。
7,8曲目、HURTさんの『鳥の詩』『メグメル』(ボーカル、ピアノ、アコースティックギター×2)。女性のメインボーカルと、ギターの人による男性ボーカルのハモりという構成だったのですが、どちらもかなり上手い。男性ボーカルの人が音域凄く広くて綺麗にハモりを入れてました。間奏部分などで、もう一人のアコギの人が美味しいフレーズを入れて来たりと完成度高かったです。HURTさんはどうやらこのイベントの常連さんの様子です。
9曲目、ポックル−3さんの『渚〜汐』(アルトサックスソロ)ですが、演奏は上手かったのですが、かなりアレンジが入りまくっていて曲の構成を把握しづらかったのがちょっと残念でした。曲の構成が分かりにくくなってしまうのは、ソロ演奏の弱点でもありそうです。
10,11曲目の、Reicheさん(トランペットソロ)はちょっと緊張してしまっていたのが見て取れました。音があまり安定しなかったのが惜しかったです。次回があれば、リラックスした状態での演奏を聞きたいですね。
14曲目、ANIJAカンパニーさんの『夏影』(ピアノ/トランペット)。ピアノ主体で、ミュートトランペットが乗る形の編曲だったのですが、こちらのトランペットも緊張からか音を落とす箇所がちらほらと。こちらもしっかり演奏出来ていればいい感じの編曲だったと思うのですが、惜しかったです。
15、16曲目が再びHURTさん。こちらもしっかり安定してました。
17〜19曲目が、個人的に注目していたAutumn Leaf Ensembleさんの『朝影』『魔女達の舞踏会』『同じ高みへ』(バイオリン×2、チェロ、フルート、クラリネット×2)。こういう室内楽的な器楽曲のアレンジは非常に魅力的です。弦+木管なので各パートの音もよく馴染みます。チェロが入ることで低音もしっかりとしていい感じの響きですね。あまり合わせる時間がなかったのか、完璧という仕上がりではなかったようにも感じましたが、普通に上手かったです。『魔女達の舞踏会』とかよくあの速いパッセージをこなせるもんだと感心してしまいました。3曲とも曲長が短めだったのがちょっと物足りなくて残念でした。もっと聴きたいと思わせる演奏でしたね。


こういう同人的な演奏会の場があるというのは、演奏者の方にも聴き手の方にも幸せなことだと思います。同人誌や同人CDはイベントや同人ショップさんで手に入れることが出来ますが、生の演奏による同人活動なんてなかなか聴ける機会がないですしね。今後も長く活動を続けて、発展していって欲しいと思います。