リアル脱出ゲーム「夜の遊園地からの脱出 大前夜祭!」参加レポート


 2010/6/18(金)に、東京リアル脱出ゲーム 『夜の遊園地からの脱出 大前夜祭!〜本番より面白い前夜祭!』に参加してきました。
 今回は、お酒を飲んでトークとバンド演奏を聞きながらワイワイやるイベントだと思っていたのですが、なんか「リアル脱出ゲーム」の作り方とかワークショップとかがあると聞いて、俄然参加する気に。


 「リアル脱出ゲーム」をご存知ない方は、公式サイトの解説(http://realdgame.jp/feature/index.php/about)か、私の過去のレポート記事(http://d.hatena.ne.jp/Sinon/20100113)をどうぞ。


 以下、イベント内容のレポートですが、詳しくメモってたわけではないのであやふやな点もあるのと、私個人のフィルターもかなり入っているのでご注意を。


●「リアル脱出ゲーム」の作り方

 まず、SCRAPの加藤さんより「リアル脱出ゲーム」の作り方解説がありました。「私がある日ポックリ逝ってしまっても、誰かが継承してくれるように」だそうです(笑)


1.場所を決める
 リアル脱出ゲームでは場所決めが重要で、これで、3割くらい決まるとのこと。


 ・閉じ込められたい場所を考える
   例えば「会議室からの脱出」のような普通の場所では面白くもなんともなくて、その場所に入っただけで2℃か3℃、温度が上がるような場所が良い。


 ・普段入れない場所がよい
   聞いただけで「へぇー!」って思うような場所。夜の遊園地もそうだし、「廃校」とか。


 ・入れる場所にひと工夫する
   ただの「遊園地」じゃなくて「夜の遊園地」。「東京カルチャーカルチャーからの脱出」では面白くないので『マジックショーからの脱出』。


2.タイトルを決める
 これでイベントの成否は9割決まるそう。タイトルが全てと言っても過言では無いらしい。


 『夜の遊園地からの脱出』のタイトル名は、遊園地側との打ち合わせ中に浮かんだらしいのですが、「これはイケる!」「客が押し寄せますよ!」と加藤さんと飯田さんがドッカーンと盛り上がったらしい。でも、遊園地側スタッフの人はポカーンとしていたそうなw


3.キャッチコピーを考える。
 これは「タイトル」を補足する形で考えるそうです。例えば『夜の遊園地からの脱出』だけだと、これが「謎解きイベント」だということが伝わりにくいので、『謎は夜に解き明かされる』と「夜」をプッシュしつつも「謎解き」というのが伝わるキャッチコピーにしたとのこと。


4.ストーリーを考える。(この辺うろ覚え)
 脱出の動機付けを考える。例えば「飛行機のエンジントラブルが起きてそこから脱出」「時限爆弾が設置されていて、それを解除しないと脱出できない」など。


5.大きな謎を考える。(この辺うろ覚え)
 システムの構築をしたり、ストーリーから想起される中オチ→大オチを考える。
 この間の「マジックショー」だと、「仲間の手が繋がれている」→「それが解けると隣の部屋にいける」とかそういうことでしょうか?


6.演出案を考える。(この辺うろ覚え)
 マジシャンがショーで手品を見せてくれるとか、死体役の人が皆の歌によって生き返るとかそんな感じの演出。


7.小さな謎
 最後にゲーム中に使う小さな謎解きを考えます。


 ・「リアル」だからこそ出来ること。
  鍵を「ガチャッ」と外したり、ジグソーパズルを組み立てたり、Webやゲームでは絶対に体験できないこの「リアル」の感覚が、「リアル脱出ゲーム」の「リアル」たる所以。

 
 ・過去に体験したこと
  自分が子どもの頃とかによって楽しかったこととか。自分の人生経験全てがアイデアのヒントになる。
  (マジックショーからの脱出で言えば「塗り絵」とか「トランプ」とかもそうかな?)


 ・過去に仮想体験したこと
  「アタッシュケースの中に爆弾があって、赤と青と黄のコードがあってそれをハサミで切るという体験」や「通路に赤い赤外線が張り巡らされていてそれを掻い潜っていってボタンを押す体験」は、殆どの人がTVか映画で知っているはずなのに、実際に体験したことのある人はいない。それが体験できちゃうのがリアル脱出ゲーム。


●ワークショップ
 ここで用紙が配られて、各チームごとに実際にリアル脱出ゲームの案を考えるワークショップが開始。イベントの一番最後には、全チームのネタを見ながらの講評の時間もありましたが、奇抜なものから実際にイケそうな案まで、色々なアイデアが沢山あって面白かったです。


 最終ノミネートに残っていたのは「温泉旅館」「高層ビル」「路面電車」「結婚式」でしたが、加藤さんが最終的にベストリアル脱出ゲーム賞(?)に選んだのは「結婚式からの脱出」でした。
 理由は、リアル脱出ゲームは男女比が半々に近いので女の子も呼べそうなネタであること。普段着ないオシャレな服を着飾っていくという「結婚式」の特別な非日常感。そしてそこで謎に巻き込まれるというドキドキ感。そういったところがいいと言っていました。


●謎解き音楽ユニット「今宵も誰か死ぬ」ライブ+謎解き
 加藤さん率いるバンド「今宵も誰か死ぬ」によるライブが3、4曲披露されました。
 で、曲間のステージ進行中、突如メンバーが何者かに殺され倒れてしまう。そして、会場の皆で、犯人を見つけるために謎を解くイベントが開始w


 10個のヒントの文字を組み合わせると、漢字で真犯人の名前になるというものでしたが、イベント後に配るはずだったチラシが、事前に配られてしまうという手違いがあったようで、そのチラシに答えが書かれてしまっていたようでしたw 結果としてほぼ全チーム正解で、加藤さんが面白くなさそうにしていました(笑)


●感想
 ただのトーク&ライブにするだけでなく、色々仕込んでお客さんを楽しませようというこの企画力はさすがです。ワークショップ形式のイベントは謎を解くのとはまた違った脳への刺激があって凄く楽しかったです。ワークショップまたやりたいなー。
 脱出ゲーム本編ももちろんですが、この手の派生イベントもどんどん参加したくなっちゃいますね。


 スタッフの皆さん、参加した皆さん、そしてご一緒した飛行機チームの皆さんお疲れ様でした。とても楽しい時間でした。