コスモスカイオーケストラ第4回定期演奏会を聴いてきた。

コスモスカイオーケストラ第四回定期演奏会
2012年5月26日(土)
文京シビックホール (大ホール)
http://www.cosmosky.jp/4th_concert/


ゲーム音楽を演奏する団体の中でも特筆してサウンドがユニークな楽団さんです。(コスモさんの場合にはゲームに限らず「劇伴音楽」という括りですが)

 ゲーム音楽を効果的に表現するにバンド編成を取り入れ、またソロ楽器もピックアップマイクで鳴らすという方向性。実に現代的・機能的な考え方で、迫力のある音が魅力です。

 それに加えて今回はコラボレーションも充実で、昨年のステージにも乗っていた合唱団のコール・クリスタル・マナ(CCM)さん。それに加えて児童合唱団も。エヴァのボーカル曲をやるのにボーカリストさんも2人。

 とにかく、「全部盛り」のような出来ることは何でもやった!という意欲を感じる演奏会でした。個人的には、昨年のリトルジャックオーケストラさんの演奏会と並ぶ名演だったと思います。


どの曲も良かったですが、まず特筆すべきは「MOTHER1/2/3メドレー」。

 「児童合唱+MOTHER」って聴いたらヤバいだろうなーとは思っていたけど、「Smiles and Tears」で、実際に児童合唱の声で「おとなたーちのはんぶんもー」と来たときには、震えがくるほどでした。

 自分の少年時代のことを思い出させるというか…、クラス合唱とかしたなぁ、とか…。小学校のときの風景とか。CCMの皆さんが子供たちのコーラスを支える感じになっていたのも良かったですね。

 最後、「Eight Melodies」でコーラスとの掛け合いでビオラソロが出てきたのは、「おお、このビオラの中音域を活かした暖かみのある旋律線とコーラスの掛け合いが良い演奏効果を引き出していてうんぬん…」と思っていたのですが(←編曲脳)、ビオラトップの人がMOTHERが好きすぎるのでソロを回したという話でしたw

 でも、そういうのって団内編曲ならではって感じで素敵ですよね。

 あ、それとMOTHER2/3などで、ファンキーな感じの曲とかロックンロール系の曲とかも持ってきていたのはコスモスカイらしくて良かったです。
MOTHERってどうしても「Eight Melodies」のような曲が注目されがちですけど、MOTHER全体の世界観としてはこういったアメリカンテイストな音楽が中心ですし。


 FF13のメドレーは30分の大曲。
ちょっと長すぎる感もありましたが、「セラのテーマ」と「FF13プレリュード」という2つの主題を最初に前奏曲という形で提示して、その主題を元にした曲を織り交ぜながら構成された組曲です。

 FF13のゲーム自体はやったことがないんですけど、シアトリズムで曲を聴いていたのと、2つの主題を元に変奏された曲が多かったので、飽きずに聴けました。「あっ、このメロディがここではこういう変奏になっているのね」と思いながら聴くと飽きないんですよね。

 最初の「セラのテーマ」、コーラスソロに続いてのコスモスカイ団員を含めた全員合唱は凄く宗教的な響きがあって良かったですね。


 アンコールは「再臨:片翼の天使」、前回演奏会のメイン曲でもあるのでこれは団員にとってもCCMさんにとっても観客に取ってもサービスという感じでしょうか。私もイントロの瞬間に「おおおっ!」と声を上げてしまいました。

 そして、アンコール2曲目はパルスdeチョコボに乗せて、今日やった曲をメドレー風に織り込んだMegaMIX的な曲。これは、演奏会を振り返りながら聴けますし、面白くて素晴らしいですね。


 コスモスカイオーケストラは、「オーケストラはこういう編成だから」というような既存の型に嵌まらない自由な楽団なので、この先楽団がどのような方向へ歩いて行くのか、すごく興味があります。

 一つの楽団を追いかけて、成長や進化(あるいは方向転換)などを見届けるのは一発モノの企画演奏会を聴くのとは全然違った楽しさがあります。

 これからも、コスモスカイらしさを保ちつつ、あるいは壊しつつ、オーケストラのその先を探り続けて欲しいなと思いました。