『ノンデザイナーズ・デザインブック』読了。

レイアウトデザインの入門書といえる本。


この本は、デザインを正式に学んだことがないけれども、デザインする必要がある人たちのために書かれました。
(本文より)


 なるほど。確かに本業がデザイナーでなくても、ちょっとしたデザイン力が必要になることはあります。

  • 仕事や勉強でのレポートや資料作成。
  • 自分のWebページ制作。
  • 演奏会のチラシやプログラム。
  • 同人をやっている人なら本やCDの装丁などなど…。

 スキルのあるデザイナーさんを頼れるならよいのですが期間も費用もない場合もありますし、何より自分の手で作るのはそれ自体が面白い。そのためには勉強が必要になりますが、さすがに専門学校に通うほどではないのでこういう本で知識を得るわけです。


 ところで「どことなく素人っぽい文書」と「プロっぽい文書」ってパッと見てなんとなく分かるのですが、それが何に起因しているのかを言葉で表すことができますか?
 私はできませんでしたが、この本で学んでそれらがかなり明確に分かるようになりました。自分の観察眼――デザインの良し悪しを見分ける力――が身につくのが非常に楽しいですね。勉強の醍醐味です。


 悪い例と良い例が両方載っているのも分かりやすくて良し。確かに本書の悪い例のような文書はよく見かけます。(そして私も作ってしまいがちです)
 キーワードとしては「整列」「近接」「コントラスト」そして(フォント等の混在による)「衝突」あたりの概念が非常に参考になりました。

  • 無闇に中央揃えをしていないか。
  • 行間をEnterキー2回で空けていないか。
  • フォントのサイズは明確に差を付けているか。
  • 1ページ中にフォントを使いすぎていないか。

そしてこれらが何故いけないとされているのか?


 何となくボヤっと感覚で把握していたことを、はっきりと言葉として知識にすることが出来たという実感があります。分かりやすくてオススメです。
 ただ、この本を読むと世の中の文書のアラが目に付くようになって、片っ端から直したい衝動に駆られます。きっと本職のデザイナーさんもそうなんだろうなぁ…。